神戸市北区北鈴蘭台駅前の内科・小児科・外科 こさか家庭医療クリニックです。

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年末は寝込みました

2025/01/14

 非常に個人的なことですが、昨年、12月27日から発熱して5日間ほど寝込んでいました。朝からなんとなくしんどいなとは感じていましたが、昼からしんどさが悪化。熱を測ると38.6℃でした。インフルエンザが流行しており、もしやと思いインフルエンザとコロナの抗原検査をしましたが陰性でした。とはいえ、偽陰性の可能性は高いです。おそらくインフルエンザだろうと思いました。

 感染対策を厳重にしてなんとか夕方までの診療をこなし、帰宅。その後、31日まで熱が続きました。自宅では自室に軟禁状態で数日間はほぼ寝たきりでした。解熱し、家族で1泊2日で温泉旅行に行ったのですが、おそらくまだ感染性があったのか、その2、3日後に他の家族全員発熱。二人の子のうち一人が小児科受診したらインフルエンザA陽性でした。

 仕事も半日で帰らせてもらい、私が家事をして、なんとか皆無事に回復し、今日から子供達は学校、幼稚園に行きました。子供達にとっては長い冬休みになりました。

 皆様も手洗い、マスクを着用して感染対策してくださいね。

科学的に効果が証明されているサプリメントは何?

2024/12/23

 巷にはサプリメントがたくさん売られています。その中で効果があることがきちんと証明されているものはいくつあるかご存知でしょうか?実は両手の指で数えられるくらいしかないんです。

きちんと証明されているというのは、プラセボと比較して効果があり、普段の食事にプラスして摂取して有益性があるかどうかが検証されているものとします。

その数少ないサプリメントを今回、紹介していきます。

効果のあるサプリメント

①葉酸
 お腹の中の赤ちゃんが二分脊椎という病気にならないため、妊娠可能な全女性に勧められています。過剰に摂取しても排泄されるため、害がほとんどなく、赤ちゃんを守ることができるため勧められています。

②プロテイン
 1日体重1kgあたり1g(アスリートでも1g〜2g)のタンパク質をとることが勧められています。タンパク質は筋肉のもとになります。だいたいステーキ200gにタンパク質は40g含まれています。体重72kgの私は1日72g〜100gほど必要です。毎日ステーキ200gを食べられませんし、そのほかの食事で残り32gを摂取するのも大変ですのでプロテインを飲んでいます。
 少し前までタンパク質をたくさん摂ると腎臓が悪くなると言われいましたが、今は関係ないとされています。
 むしろ、40歳を超えると徐々に筋肉量が低下してくるため、それを補うために筋トレしながら、プロテインを摂ることをご高齢の方には特にお勧めします。
 また、食事前にプロテインを摂ることで体脂肪が減少しやすくなったという研究もあり、減量をされている方にもお勧めです。

ここからは医療ではないですが、アスリートのパフォーマンス向上で効果がある可能性が高いものです。

③クレアチン
 肉や魚に多く含まれ、筋力アップに効果的です。1日3〜5gが摂取目安です。クレアチンを飲みながら、筋トレをすることでより重い重量を挙げられるようになり、筋トレの効率が上がります。より重い重量でより多くトレーニングすることで筋肉量が増えれば、痩せやすくもなります。ただし、筋肉量を直接増やす効果はありません。

④カフェイン
 トレッドミルランニングや筋力トレーニングでの疲労困憊までの時間が延長することが証明されています。1日摂取量は400mg(コーヒーマグカップ4杯程度)までにしましょう。

⑤重曹(重炭酸ナトリウム)
 運動前60分〜150分に0.2g〜0.4g/kg(体重)を摂取すると60秒以内に終了する短時間高強度運動でのパフォーマンスが向上します。
 個人の感想ですが、とてもまずいです。ナトリウムを多く含むので高血圧や慢性心不全をお持ちの方は注意が必要です。

⑥βアラニン
 65mg/kg(体重)の摂取を2〜4週間毎日続けると30秒〜10分の高強度運動のパフォーマンスが高まると言われています。

⑦亜硝酸塩
 青菜や根菜類に多く含まれています。高強度の持久運動や間欠的運動やチームスポーツでのパフォーマンスを向上すると言われています。運動の2〜3時間前に500mg摂取します。

 そのほかにも効果があるサプリメントとして骨を丈夫にするビタミンDがありますが、副作用に腎不全や高カルシウム血症など重大なものがあり、医師の指示のもと必要な方に投与されます。ご自身の判断で摂取するのはやめましょう。

以上から、安全で効果的なサプリメントは数少ないです。基本は食事で栄養をまかなう必要があります。それでもさらに摂取する必要がある人が必要な種類のサプリメントを摂取するよう心がけましょう。

参考文献
https://www.jpnsport.go.jp/hpsc/Portals/0/resources/jiss/info/doc/JHPS/jhps5_93-105.pdf

 認知症の早期発見は意味があるのか?

2024/12/17

 今回は認知症を早期診断するのは良いことなのか?についてです。

 まず、アルツハイマー病などの老年性認知症を早期診断することは不利益よりも利益が上まることは実は研究ではきちんと証明されていません。ただし、治療可能な認知症(慢性硬膜下血腫や甲状腺機能低下症、正常圧水頭症、うつ病、ビタミンB1/B12欠乏症、葉酸欠乏症、脳腫瘍、せん妄、てんかん)は早期治療した方が良いです。これらを治療する目的であれば症状のある方の早期発見に意味があると言えます。

しかし、アルツハイマー型認知症を代表する老年性の認知症はどれもこれといった治療薬はなく、アルツハイマー型認知症の薬とされる薬(ドネペジルやレカネマブなど)も認知症の短期間の進行をわずかに遅らせる程度の効果しかないことがわかっています。

認知症を何らかの医療による介入で積極的に治療するという目的ではほとんど意味がないと考えられます。

ご本人に告知したところでショックだけ大きいだけで、何か有益性があるのか私には想像がつきません。

 一方で家族を含む周りの人達にとってはいいのかもしれません。というのも、認知症と診断が下りれば、物忘れの症状も「そういうもの」として受け入れやすくなります。
何度も同じことを聞いてきたり、物をなくしたり、物を盗られたと言われたり、薬を飲まなかったり、冷蔵庫に食べられなくなったものが溢れていたり、料理の味付けがおかしくなったり、服装に無頓着になったり、怒りっぽくなったり、汚物をいじったり、全部、認知症のせいだからとある程度受け入れやすくなると思います。汚物処理自体、不快感の多い作業ですが。

でも、自分の配偶者や親はしっかりしているものという今までのイメージというのは根強いものでもあります。ですので、認知症の症状とわかっていても、なかなか割り切れないというのもあります。

なので、症状の軽いうちに心の準備をしておく。受け入れ準備をしておけると、その対処法も予習しておきやすくなります。そのために認知症の早期発見は有効かもしれませんね。

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