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院長ブログ

科学的根拠に基づく慢性腰痛対策

2025/12/01

 院長の小坂です。当院にも長引く腰の痛みを仰られる患者さんはたくさんおられます。痛み止めを長く飲み続けることにも不安がありますよね?確かに非ステロイド抗炎症薬(ロキソプロフェンやジクロフェナク、イブプロフェンなど)の長期間の使用には胃粘膜を荒らす他にも心臓や腎臓にも悪影響を及ぼす危険性が他の痛み止めよりも高いです。

 整形外科を受診しても、痛み止めや湿布を出されるだけ、あるいは牽引もされるかもしれませんが、結局はまた痛くなってしまうということはありませんか?

 そうした痛み止めなしでは改善しない痛みもひょっとしたら適切な行動をとるだけで良くなるかもしれません。

安静よりも普通に活動を

 まずは基本的なことですが、痛いからとじっとしているのではなく、できる限り普段通りの日常動作を行うようにしましょう。安静の時間が長くなると筋力、筋肉量は低下し、筋肉の柔軟性も失われてしまいます。血圧や血糖値などにも良くありません。

効果があるとされている運動は?

 腰痛に効果があるとされている運動がいくつかあります。それはヨガ、ピラティス、太極拳、体幹トレーニング、筋力トレーニング、有酸素運動です。

 

 ヨガやピラティス、太極拳は未

経験なら誰かに習った方が良いですね。体幹トレー

ニングは本も最近はたくさん売られているのでそういったものを参考にするのが良いと思います。筋力トレーニングも最初はジムなどで誰かに教わるのが良いでしょう。私のおすすめ種目はスクワットとデッドリフトです。スクワットは股関節やお尻、太ももの柔軟性と筋力を高めてくれます。デッドリウとは太ももの後ろとお尻、腰の筋肉量・筋力を高めます。

 くれぐれも最初から頑張りすぎないように。軽い負荷、少ない回数や時間から始めましょう。続けられるということが大切です。

有酸素運動は少しキツめで

  有酸素運動はウォーキングやジョギング、水泳などなんでも良いですが、街中で見る多くの方のウォーキングや水中ウォーキングはほとんど有酸素運動にもなっていない軽すぎるように見えます。少しも息が上がっておらず、ご友人とおしゃべりしながらなどという光景はよく見ます。これは意味ないとは言えませんが、とてももったいないです。おしゃべりできるくらいのスピードではありながら、少し息が上がるくらいの強さを目指して歩きましょう。すると少し大股で腕の振りも少し大きくしないといけないことに気づくと思います。その少し大きい動作が有効なのです。決して何時間も歩く必要はなく1日20分〜30分で十分です。

痛みの記録をつけることも有効

 痛みの記録をつけるだけでも有効です。
・いつどのようにして痛みが出たのか?(例;朝、靴下を履くのに前屈みになった時)
・痛みが出た時の気持ち・感情は?0〜100点で(例;怖い 80/100)
・その時、自動的に浮かんできた考えは?(例;動いたら悪化するかも)
・痛みを避けるためにどんな行動をした?(例;体を固めてそろそろと移動した)
・その時、体はどんな反応をした?筋肉の緊張、息があがる、動悸がするなど
 慢性的な痛みは実は心理面での影響も大きく、これは認知行動療法と呼ばれる手法です。書き出すだけで自分の思考の癖がわかりそれだけで自然と楽になることもあります。

 いかがでしたか?どれかやってみようと思うものはあったでしょうか?どれもすぐには効果は出ないでしょう。でも1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月と続けていくうちに以前とは違う感覚に気づくと思います。
 まずは始めること。そして、気楽に少しでも続けることが大切です。

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