こんにちは、院長の小坂です。
最近ネットで「4毒」という言葉が話題になっているそうです。患者さんから教えてもらって知ったのですが、その4毒とは
小麦粉・砂糖・油・乳製品 のこと。
「これをやめたら元気になった!」「健康になった!」という声もあるようですが……。
結論から言いますと、科学的根拠はありません。
ダイエット食品の広告にある「効果には個人差があります」と同じレベルの話なんです。では、それぞれについて簡単に見てみましょう。
多くの人にとっては、食べ過ぎなければ害はありません。
特に全粒粉は食物繊維が豊富で、むしろ健康的です。
ただし、セリアック病や小麦アレルギーの方は除外が必要です。
それ以外の人にとって「小麦をやめるメリット」はありません。
砂糖=ショ糖で、ブドウ糖と果糖からなる二糖類です。
「甘いもの全部NG」としてしまうと、ハチミツや果物まで入ってしまいます。
特に果物はビタミンや食物繊維が多く、むしろ血糖値が上がりにくいという研究もあるくらいです。
つまり「砂糖も食べ過ぎなければ問題なし」です。
牛乳やヨーグルトも摂りすぎなければ問題ありません。
アレルギーや乳糖不耐症の方は避ける必要がありますが、それ以外の人が無理にやめる必要はありません。
給食の牛乳が苦手なら飲まなくても大丈夫。他の食品で十分に栄養は補えます。
これは4つの中で一番注意が必要かもしれません。
サラダ油やマーガリン、酸化した油は動脈硬化を進める可能性があります。
一方で、オリーブ油や魚油などのオメガ3脂肪酸は健康に良い油です。
地中海食が有名ですね。
とはいえ、天ぷらやフライ、美味しいですよね。油は私たちの食生活に欠かせない存在です。
卵や赤身肉、加工肉を大量に食べると、糖尿病や大腸がんのリスクが上がるという研究があります。
「4毒」に含まれていないのはちょっと不思議です。
要するに、どんな食材も“ほどほど”が大切ということです。
私は4毒と呼ばれる食品を毎日食べていますが、元気にトライアスロンもしています。そして、実年齢よりいつも10歳くらい若く見られます。(ひょっとしてお世辞で言われてる?)
大事なのは「バランス」と「運動」。
運動をしないで油や糖分を摂りすぎれば、当然不健康になります。
健康的な食材(オリーブ油・茶色い炭水化物・野菜や果物・魚)を多めに取り入れ、量は控えめに。
余分な糖分や油は運動で消費することが一番です。
👉 「4毒」は本当の毒ではありません。
心配するよりも、バランス良く食べて体を動かすことが、何よりの健康法ですよ。
こんにちは 院長の小坂です。
読者の皆さんはテレビ見ますか?私はほとんど見ていないのですが、今、唯一見ているテレビドラマがあります。
それは、毎週日曜日9時〜TBS系で放映されている「19番目のカルテ」です。
私たち、総合診療・家庭医療の業界内ではこのドラマの話題で大いに盛り上がっています。というのも、主役の松本潤さんが演じる徳重先生は病院に親切された総合診療科の医師だからです!!
総合診療医の仕事内容を一般の方達にとてもわかりやすく理解してもらえる内容だと思います。
包括的に診察することで診断につなげる。
患者さんの周りの家族にも気を配り、多職種と連携、調整する。
家族内の葛藤と病気との関係を明らかにする。
などなど。とてもドラマチックで毎回、じ〜んと目を潤ませながら視聴しております。
実際に毎回、全部の患者さんがあんなにドラマだったら、時間と体力がいくらあっても足りませんが、本当に必要と感じた時に総合診療医・家庭医の伝家の宝刀を出します。
あとはそうならないように毎回の診察で小出しにしていたりします。
もし、ご覧になったことがなければ、ぜひ一度見ていただくことお勧めです。
こんにちは、院長の小坂です。
今日はちょっと大事なテーマです。
みなさん、「ACP(アドバンス・ケア・プランニング)」、ご存じですか?
……って聞くと、
「なんだそれ、美味しいの?」とか
「パソコンの部品のこと?」とか返ってきそうですが、残念、違います。
ACPとは、日本語では「人生会議」と訳されていて、
将来、病気や事故で自分で意思表示ができなくなったときに備えて、
「自分はどんな医療やケアを受けたいか」を、
あらかじめ話し合っておくという取り組みのことです。
たとえば、ある日突然、あなたが倒れてしまい、
救急車で運ばれ、人工呼吸器が必要になったとします。
そのときに、医師が家族に聞くんです。
「延命治療をご希望ですか?」
「心肺蘇生(心臓マッサージや電気ショック)を行ってもよいですか?」
でも家族は「え? そんなこと、聞いてないよ…」とパニックに。
その場で「うーん……うーん……」と悩んだ挙句、
「やれることは全部やってください」と言ってしまい、
本人の希望とは違う方向に進んでしまうことが実際にあります。
私たち家庭医は、いつもこう思っています。
「一番大事なのは、その人の“思い”」だと。
“長生きしたい”のも、“穏やかに最期を迎えたい”のも、全部OK。
ただし、どんな思いかを、ちゃんと共有しておいてほしいのです。
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だからぜひ、次の健康診断のついでに、
いや、焼き鳥屋でビール片手にでもいいから、
話してください。
「俺さぁ、もしものときは胃ろうはしたくないんだよね」
「ママ、もし意識がなくなったら、延命は希望する?」
そんな一言で、人生が変わるかもしれません。
ACPの目的は、命を縮めることではなく、
「その人らしい生き方・最期」を大切にすることです。
そして、家族にとっても、
「お母さんはこう望んでたんだ」
と知っているだけで、心が少し楽になります。
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私たち家庭医は、そういう「思いの橋渡し」が大好きです。
「ちょっと恥ずかしいけど話してみたい」
「紙に書いておきたい」
「家族とケンカにならないようにしたい」
そんなときは、遠慮なくクリニックで、または、訪問診療の診察の時にご相談してください。
「終活」って言うと、
つい“遺影”とか“墓”とか“資産整理”が思い浮かびますが、
“これからの選択”も、大事な終活の一つです。
あなたの「思い」、未来のあなたのために、
そしてあなたを大切に思う人のために、
今、少しだけ考えてみませんか?
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それではまた次回のブログで。
次は「在宅医療で実は便利な〇〇グッズ特集」でも書こうかな?