神戸市北区北鈴蘭台駅前の内科・小児科・外科 こさか家庭医療クリニックです。

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【開催レポート】7月7日「ほがらかトーククラブ@泉台集会所」

2025/07/08

七夕の夜に願いをこめて…いや、昼間でしたが(笑)、泉台集会所で「ほがらかトーククラブ」を開催しました!

今回のテーマは、当院のドクター・稲田による「認知症の予防」について。

参加された皆さまと一緒に、笑いあり・学びあり・ちょっぴり島根あり(?)の時間を楽しみました。

稲田の出身地・島根県に関するクイズで盛り上がりながら、

「認知症に必要なことって?」「予防ってどうすればいいの?」といった大事な話題もわかりやすく解説。

さらには、脳トレや軽い体操で、頭と体を同時にシャキッとリフレッシュ!

参加者からは

「これでもう泉台から新しい認知症の人は出ないかも?」

なんて頼もしい声も…(いや、油断は禁物です!)


次回の「ほがらかトーククラブ」は

9月1日(日)@泉台集会所にて開催予定!

司会は、笑顔の絶えないリハ長楽さん。

また皆さんと元気にお会いできるのを楽しみにしています!

🌱「家庭医が増えると、地域の寿命がのびる!?」〜しかも、医療費もおトクに!?〜

2025/06/30

こんにちは、こさか家庭医療クリニック院長の小坂です。



今回は「家庭医って、実はすごいんです!」というお話を、アメリカの医学雑誌 JAMA からご紹介します。


📈 長生き効果、じわっと判明

アメリカで2005年〜2015年にかけて行われた調査では、

人口10万人あたりの家庭医(プライマリ・ケア医)が10人増えると、平均寿命が約51.5日延びる

JAMA Internal Medicine, 2019)

という結果が報告されました。

ちなみに、臓器ごとの専門医が10人増えても、寿命は約19日しか延びませんでした。

……ちょっと切ない数字差ですが、家庭医の底力を感じますね。


💸 実は、おサイフにもやさしい

さらに、医療費との関係を調べた別の研究(Health Affairs, 2004)では、こんなことがわかりました。

  • 専門医が人口1万人あたり1人増えると、医療の質はやや下がり、住民一人あたりの医療費が年間$526(約8万円)アップ

  • 家庭医が1人増えると、医療の質が向上し、医療費が年間$689(約11万円)もダウン!

👛✨家庭医、まさかの“節約の味方”です。


🤔 なぜこんな差が?

専門医は特定の臓器や疾患に集中して診療しますが、家庭医は患者さん全体を診て、必要に応じて予防や早期介入もします。

つまり、**「こじらせる前に防ぐ」「本当に必要な治療に絞る」**という、じつに地味で実直な役割を果たしているのです。

とはいえアメリカでは、家庭医は専門医より給料が低いため志望者が少なく、実際に2005年〜2015年の間に数が減少してしまったそうです。これはちょっと残念…。


🇯🇵 日本では?

日本では現在、系統立てて研修を受けた**「家庭医療専門医・総合診療専門医」**が少しずつ増えています。

こさか家庭医療クリニックもその一員として、地域の皆さまの健康と安心をしっかり支えていきたいと思っています。

📣 なんでも相談できる「かかりつけ医」を、ぜひ味方につけてくださいね!


📚 参考文献:

  1. Basem Hassan et al.

    “Association Between Physician Supply and Population Health Outcomes in the United States.”

    JAMA Internal Medicine. 2019.

    👉 https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/article-abstract/2724393

  2. Baicker K, Chandra A.

    “Medicare spending, the physician workforce, and beneficiaries’ quality of care.”

    Health Affairs. 2004 Jan-Jun; Suppl Web Exclusives:W4-184–97.

    👉 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/15451980/

「夏休み、旅行、花火大会。そして…HPVワクチン?」 〜“その日”が来る前に、親ができる最大の予防策〜

2025/06/25

夏休み――。

青春まっただ中の中高生にとっては、

・部活

・旅行

・海

・花火大会

……そして、

「はじめての恋」や「はじめての経験」がぐっと増える時期でもあります。

はい、親としては少しドキドキする季節ですね。


HPVは“その日”から感染リスクが始まる

HPV(ヒトパピローマウイルス)は、性行為を通じて感染するウイルス。

初めての性交渉=初めての感染機会になることが多いのです。

実際に、性交経験を持った10代後半〜20代前半でのHPV感染率は非常に高く、

子宮頸がんの前がん病変は20代から増加します。


「まさかうちの子が」は禁句

「うちの子はまだ早い」

「そんな話、恥ずかしくてできない」

という声も耳にします。

でも思い出してください。

ご自身の夏休み、何してましたか?(……はい、言わなくて大丈夫です)

初めての性交渉の平均年齢は、男女ともに17歳前後。

高校生くらいで経験する子は決して少なくありません。


ワクチンは、“その前”に

HPVワクチンは、感染する前に打ってこそ最大の効果を発揮します。

「性交渉を始める前に打っておく」――

それが、将来のがん予防へのもっとも確実な手段のひとつです。

「夏が来る前に、ワクチンを」

これは、保護者からできる最高のギフトです。


「性教育は学校任せ」では、もう遅い

最近では、HPVワクチンに限らず、

・性感染症(STI)

・避妊

・性の同意

など、思春期の性に関する話題はどんどん重要になっています。

学校だけでは十分に伝わらない部分こそ、

家庭で「照れずに話せる関係」づくりが必要なんです。


まとめ:今年の夏は、打たせる夏に。

・HPVは性行為から感染。だからその前に打つべし。

・思春期は「もう少し子ども、でもちょっと大人」な時期。

・親が冷静に、一歩先を見て準備することが、未来の命を守ります。

ワクチン接種に迷ったら、まずはご相談を。

恥ずかしいのは一瞬、後悔は一生。

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