高齢者(65歳以上)にときどき貧血が見られることがあります。どんなことが原因でどのように医師はアプローチすればよいのかUpToDateで勉強してみました。
一般成人での貧血は男性でヘモグロビン値(Hgb)が約13g/dL未満、女性で約12g/dL未満とされていますが、高齢者ではもう少し下になります。
高齢者の貧血はHgb>10g/dLであれば、軽度と言ってよいです。これを下回ると重症とされます。
一般にHgbが12d/dL未満または15g/dLより多いと死亡率が上昇すると多くの研究でいわれていますが、高齢者に貧血と結果を対象とした研究は少なく、無症状の貧血が及ぼす影響については未知といえます。
軽度の貧血が高齢者の運動機能の低下を強調することがしめされています。また貧血はふらつき、筋力低下、転倒とも関連します。
貧血と死亡率の上昇との関連も示されています。
最初にどうするか?
・当たり前ですが病歴と身体診察
・全血球数を測定
・必要最低限の腎機能を含んだ血液検査。鉄欠乏性貧血が疑われるなら血清鉄とフェリチン、ビタミンB12や葉酸欠乏が疑われるならそれらを、炎症性が疑われるなら赤沈、CRP、鉄、フェリチンを含んだ検査を実施。
次にどうするか?
さらなる病歴聴取や身体診察、検査を行い診断をする。
高齢者に多い原因は?
原因が複数あることもあるので注意すること。
・鉄欠乏性貧血・・・出血源を特定する必要がある。
・腎臓病/低酸素感知異常・・・クレアチニンクリアランス≦30ml/分なら危険性が高い
・骨髄異形成症候群
・原因不明
次回は貧血の管理について学びます。
今回も持久性スポーツ大会における備品について。今回は非医療器具ですが、救護に必要な物品リスト
今回は持久性スポーツ大会での用意すべき医療機器と消耗品についてです。今回もuptodateからです。
○気道確保
・サイズ3~4の喉頭鏡
・ビデオ喉頭鏡
・挿管チューブ サイズ7㎜、7.5㎜、8㎜
・挿管のためのスタイレット
・ネーザルエアウェイ サイズ6㎜、7㎜
・オーラルエアウェイ サイズ6㎜、7㎜
・挿管用ガイド
・ETCO2探知機
・バッグマスク
・ラリンゲアルマスク サイズ4、5
○気道管理薬物
・ロクロニウム
・サクシニルコリン
・エトミデート
・ケタミン
○循環管理薬物
・シリンジ入りエピネフリン注射液ー最低4本
・シリンジ入り炭酸水素ナトリウムー最低2本
・アミオダロンー最低2バイアル
○輸液
・5%ブドウ糖入り生理食塩水ー1つのテントに1Lバッグを50本
・生理食塩水ー1Lバッグを50本
・3%高張食塩水250ml-3~5本
○その他の薬剤(内は最小必要数)
・エピペンまたは1mlアドレナリン注シリンジ(3)
・ネブライザーマスク(3)
・β刺激吸入液1箱
・抗コリン吸入液1箱
・抗ヒスタミン薬(5)
・制吐剤(25錠)
・50%ブドウ糖液50ml(10~12)
・ミダゾラム2㎎(1箱)
・グルカゴン
○その他の医療機器(最小必要数)
・除細動器(5)
・血糖測定器(各テントまたはエイドステーションに)
・血糖測定テープ(1パック)
・100mlシリンジ(1テントに3個)
・2.5mlシリンジ
・輸液チューブセット(5)
・22G針
・25G針
・18Gと20Gの留置針
・電解質測定器(商品名:iSTAT)(1テントに2個)
・血清測定機用チップ(10)
・直腸温計
・氷
さらに追加するなら、ちょっとした外傷に備えて、ワセリンとラップ、テープ、ガーゼ、吸水パッドでしょうか。