今回はシェーグレン症候群と似た症状の病気について。
年齢関連シッカ症候群・・・高齢になってから発症する。症状はシェーグレン症候群とよく似ているが抗SSA/RO抗体は陰性。そもそもシェーグレン症候群で65歳以上で発症するのはまれ。
サルコイドーシス・・・シェーグレン症候群と合併することもある。関節炎や間質性肺炎をきたすことがある。自然に改善することもある。肺門部のリンパ節がはれることが有名。
良性リンパ性上皮性唾液腺炎/涙腺炎・・・病理学上の診断で、リンパ腫にも注意が必要
C型肝炎ウィルス感染・・・かなり似た症状で免疫学的にも似た検査結果をもたらすが、抗SSA抗体などは低めが多い。
HIV感染
リンパ腫や血液腫瘍
全身性血管炎
移植片対宿主病(GVHD)・・・同種間造血幹細胞移植後に生じる
IgG4関連病
などである。
シェーグレン症候群についてお勉強です。
診断基準
口喝やドライアイ、原因不明の虫歯の増加、耳下腺の肥大がある場合に疑う。ほかの膠原病を伴うことも多いので、抗体検査などだけをもとに診断をするべきではない。
以下の2項目を満たし、そのほかのドライアイや口喝の原因がない場合に診断される。
1.客観的指標においてドライアイ(シルマーテストで5㎜/5分以下または眼球表面染色の異常)や唾液量の低下(サクソン検査の異常、全シアノメトリーの異常)、特徴的な唾液腺の異常(MRIや超音波で)を認める。
2.抗Ro/SSA抗体陽性、口唇生検の異常(フォーカススコア1以上の限局性リンパ球性唾液腺炎)または十分に確立された全身性リウマチ性疾患(関節リウマチ、全身性硬化症、特発性炎症性ミオパチー)が存在する。抗セントロメア抗体(全身性硬化症の非存在下で)または抗核抗体とリウマチ因子の組み合わせを持つことがある。
今日はここまで。シルマーテストは眼科にお願いしないといけません。血液検査は普通のクリニックでもできますが、結果がでるまで少し時間がかかりますね。
今回は場面緘黙症についてお勉強。
たまに、診察室で全く話さなくなるお子さんを診察することがあります。家族の前では話すのに、緊張したり学校では話せなくなるというお子さんです。
こうした症状のお子さんは場面緘黙症の疑いあります。これは不安障害の仲間の病気です。
5歳までに発症することが多く、2歳からも見られます。
他にも不安障害の仲間には
・全般性不安障害・・・過剰な不安を止められず、社会生活に支障をきたす状態
・社会不安障害・・・人前で何かをすることに極度に苦痛を感じ、逃げ出してしまうような状態
・広場恐怖症・・・広い場所に対する恐怖症
・特定の恐怖症・・・特定の者や状況に対する恐怖症
・分離不安障害・・・愛着のある人や物から離れることへの過剰な不安
があります。
子どもの不安障害は治療しなければ、将来、不十分な教育、うつ病、薬物乱用・依存症、自殺の危険性を増やします。
小児期/思春期の不安障害は成人してから不安障害やうつ病になる危険性が2~3倍高くなります。