比較的若い女性が風邪や頭痛などで受診された時に、生理は辛くないか?と聞いてみると、生理のたびに痛み止めを飲んでいるという答えが返ってくることがあります。日常生活も辛いくらいの生理を月経困難症と言います。
また、貧血で受診される女性のほとんどは生理の出血量が多いことです。これを過多月経と言います。
どちらも非ステロイド性抗炎症薬(ロキソプロフェンやイブプロフェンなど)は良い鎮痛剤です。また、定期的な運動や生姜、魚油、ビタミンB1、亜鉛などのサプリメントの摂取は有効かもしれません。そしてどちらも、妊娠を望んでいないのであれば低用量ピルの内服はとても有効な治療法です。
低用量ピルの内服ときいて、あまりいいイメージを持たない方もいらっしゃいます。低用量ピルの副作用には吐き気や倦怠感、頭痛、不正出血などがあります。また、重大なものでは喫煙者に特に静脈血栓症になりやすいというものがあります。
逆に妊娠しなくなり、生理の痛みを軽くしたり、出血量を減らすだけでなく他にもいくつか良い点があります。それはニキビの改善、骨密度の改善、子宮体がん・卵巣がん・大腸がんのリスクを減らします。また、月経前の不快な気分を抑えてくれます。
月経困難症や過多月経の原因がなんであれ、内診なしで低用量ピルを処方することは可能なのでお気軽相談していただきたいと思います。
ただし、過多月経が良くならない場合は出血しやすい病気などの存在やがんの存在(特にリスクの高い方)が疑われるので専門医にきちんと調べてもらう方が良いでしょう。
とはいえ、ほとんどの方がそういった病気をお持ちでないので、現在、妊娠を希望しておらず生理が辛い、貧血に悩まされている女性の方はピルの使用をご検討されて良いと思います。
最後にピルを飲んでいる間は99%妊娠しませんが、梅毒やクラミジア、HIVなど性病の予防はできないので、性交渉するときは必ずコンドームを着用するようにしましょう。