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院長ブログ

いつもの恵方巻を何も手を加えないで、もっとおいしく食べる方法

2016/02/01

ここ最近、インフルエンザが猛威をふるいつつありますね。インフルエンザの典型的な症状はご存知の通り、急な発熱、関節痛、咽頭痛、咳、鼻汁などで、たまに下痢、嘔吐などの消化器症状を伴うことがあります。多くは5日~7日程度で熱が下がり自然になおります。非常に感染力が強いので、インフルエンザワクチンを接種していても同居する家族などのすごく近い人が感染してしまうと、自分も感染してしまう確率が高いです。基本的に自然に治癒しますが、抗ウィルス薬を使用するという選択肢があります。原則的に特に慢性的なお病気をお持ちでない健康な人には勧めませんが、効能はどのお薬(商品名:タミフル、リレンザ、イナビル、ラピアクタ)熱の期間を半日~2日程度短くします。副作用に吐き気や腹痛などがあります。しかし、妊婦や出産後すぐのお母さん、2歳未満の子供、高齢者、慢性的な心臓病、肺の病気、免疫不全、免疫を下げるようなお薬を飲んでいる方は抗ウィルス薬を飲んだほうが良いので、医師にご相談ください。では、予防はどうすればよいかというと、当然、普段からの規則正しい生活、適度な運動、予防接種、手洗いです。

さて、この予防に実は「マインドフルネス瞑想」が効果があるかもしれないという研究結果があります。その研究の詳細は割愛しますが、マインドフルネス瞑想をすることは特にストレス軽減に対して効果が証明されつつあります。googleでも取り入れられ、最近、有名になってきているマインドフルネス瞑想ですが、一度は耳にした、あるいは目にしたことはあるでしょうか?
もともとはアメリカ人であるJ.カバットジン博士らによって”禅”と”ヨーガ”、”ヴィパッサナー瞑想”から臨床的に活用できるように改良されて、アメリカに広がり、今また日本に逆輸入されてきたような瞑想法です。今ではマインドフルネス瞑想はキリスト教徒やその他の信仰がある方々も実践しています。

一体、どんな効果があるのかというと、ストレスが軽減され、もっと上手に生きられるようになるというのが効能でしょう。マインドフルネス瞑想の目的は「今、この瞬間に集中して生きる」ようになることです。多くの人は日常を過去や未来の思いや考え、それにまつわる感情に日々とらわれて生きています。こうしたことにとらわれている限り、本当の自由を得られることはありません。マインドフルネスとは「気づき」を意味します。思いやりがあるとも日本語に訳すことができます。つまり、自分の思考や感情に気づくことは自分に対して思いやりをもって見ることができていると言えるでしょう。今、自分は何を考えているのか、何をイメージしていたのか、何が聞こえていたか、何を感じていたのか、そのときどんな感情だったのかをよく観察することがとても大切です。そして、今この瞬間にまた戻ってくればよいのです。私も毎日、5分~30分くらいは瞑想しています。これでは短いとおっしゃる方もいらっしゃいますが、効果はでているように思います。特に少し、今まではイラつくような出来事があっても、「あ、今イラついているな。どうしてだろう。これは○○という考えが起きてきたからだ。」と冷静にとらえることができるようになり、イラつきを行動に起こさなくなりました。また、先日、不覚にも風邪をひいたときに、夜中にのどがとてもイガイガして、咳をしたくなったのですが、「今、のどがイガイガしている。咳をしたいと思っている。でも、咳をすると妻を起こしてしまうので、やめておこう。」となって、咳こまずに済みました。で、なぜか翌日にはほとんど治ってしまいました。私の例はこれくらいにして、今、この瞬間に集中して生きている時間が長くなればなるほど、楽に生きられるようになります。

マインドフルネスを習得するために行うのが瞑想です。瞑想と聞いてよく思い浮かべるのが座禅のような座る瞑想ですね。実はほかにもいろいろな瞑想があります。生活のすべてが瞑想になるといっても過言ではありません。今回、季節的に特におすすめしたい瞑想があります。それは”食べる瞑想”です。
2月3日には節分がありますね。14日にはバレンタインデーもあります。そのとき、みなさん食べますよね。恵方巻、大豆、チョコなどなど。特に食べる瞑想をする絶好のチャンスは恵方巻を食べるときだと思います。恵方巻を食べるときって、ルールがありましたよね。そう、黙って食べることです。マインドフルネスの食べる瞑想も黙って食べます。普段、家族と一緒にいるのに黙って食事していたら、何か話せと言われますよね。普段から一人ごはんの人は毎回できますね。でも、違和感なく、黙って食べることが許されるときなのです。

それでは恵方巻で「食べる瞑想」の方法をお教えしようと思います。まず、目の前に恵方巻がありますね。それをまずは利き手にもち、よく観察します。色はどうでしょうか?光沢はありますか?凸凹していますか、それともなめらかでしょうか?感触はどうでしょう。つるつるしていますか、ざらざらしているでしょうか?温度はどうでしょう。冷たいですか?それとも温かいですか?硬さはどうですか?やわらかいですか?硬いですか?重さはどうでしょう?重いでしょうか、それとも軽い?手のひらと指先で感覚はちがうでしょうか?よく観察します。そして、反対の手に持ち替えて、またさっきと同様によく観察します。よく観察したら、においをかいでみましょう。どんなにおいがしますか?では、好きな方の手でも両手でもっていただいてもよいので、一口、口に入れます。噛んだ感覚はどうだったでしょうか?口に中はどんな感じでしょうか?舌触りは?歯触りはどうでしょう?甘いですか?辛いですか?酸っぱいでしょうか?それとも何か違う味はしますか?じっくり味わいます。そして、口の中で一度噛んでみましょう。どうでしょうか?何か変化は起きましたか?どんな味がしますか?どんな感覚だったでしょうか?何度か噛む、味わうを繰り返し、よく観察できたら飲み込みます。飲み込んだときも、味はどうか、どこで何を感じたのか、のどを通過するときはどんな感じなのかよく観察します。これを繰り返します。
この一連の観察を通じて生じてきた考えやイメージ、感情もよく観察してみてください。

どうでしょう?簡単ですよね。純粋に細部にわたるまで観察すればよいだけの話です。じっくり味わって食べてくださいね。今まで以上によく味がわかっておいしいと思いますよ。しかも、結構、おなかが満たされます。実際に私も食べる瞑想するとすぐにおなかがいっぱいになってしまいます。それで本来は十分な量ということなのでしょうね。生活習慣病の方には特に食べる瞑想おすすめです。

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